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RoHS指令(ローズ指令)とは?誰でも分かるRoHS

「RoHS(ローズ)」とはいったい何なのでしょうか。
近年、商品を作ったり、販売する中で「RoHS」という言葉を目にしたり、耳にする機会が増えています。

このページでは、分かりにくいRoHS指令を解剖し、RoHSの目的や、指令により規制される物質、また私たちの社会に与える影響について紹介していきます。きっと「RoHS」のことを理解していただけると思います。

目次

  1. 1.RoHSはいつから、どうして始まった?
  2. 2.RoHSとは
  3. 3.RoHSの目的
  4. 4.RoHS使用制限される有害物質
  5. 5.RoHS適用除外される有害物質
  6. 6.RoHS適用除外される金属材料
  7. 7.私たちの生活にRoHSって影響あるの?
  8. 8.RoHSを守らなかったらどうなるの?
  9. 9.あわせて覚えておこう!WEEEとは?
  10. 10.まとめ:今後のRoHS指令について
  11. 11.当社オーミヤについて

1.RoHSはいつから、どうして始まった?

私たちの生活を豊かにする、携帯電話やパソコン、冷蔵庫や空調機器、さらには自動車。
これらの製品は様々な素材から造られています。この中には、化学反応を起こして作られた化学物質も入っています。化学物質は危険性が低い物も多数ありますが、その一方で人の健康を害するものや環境に悪影響を及ぼす物質もあります。この危険性のある化学物質による人の健康や環境への悪影響を抑えるため、各国で特定の化学物質への規制が行われ、その対象は薬剤などの化学品や完成品の商品にまで広がっています。

中でも、欧州連合(EU)各国では、廃電気・廃電子機器の約90%が正しい処理を経ずに埋立てや焼却されており、化学物質が地下水へ浸出することによる環境汚染、また人体への悪影響が問題となっています。このため、EUでは「RoHS指令」という電気・電子機器における特定有害物質の使用制限に関する法律が2003年2月13日に告示され、2006年7月1日から施行されました。このRoHSは2011年に大幅に改正され2011年6月1日に告示、2013年1月3日から現在に至るまで施行されています。(当初のRoHS規制はRoHS2規制の施行とともに2013年1月廃止されています。)

2.RoHSとは

RoHSとは「Restriction of the use of certain Hazardous Substances in electrical and electronic equipment」の略称。
日本語で直訳すると、Restriction of the use of certain = 「使用制限」。Hazardous Substances = 「有害な物質」。In elextrical and electronic equipment = 「電気・電子機器の中の」となり、「電気・電子機器における特定有害物質の使用制限」のこととなります。

翻訳からもわかる通り、日本で考えられたものではないため、日本と同等に適切な処分、リサイクルが進んでいれば、そこまで厳しい制限が必要かという物質の制限も多く見られます。

3.RoHSの目的

RoHS指令は、電気・電子機器のリサイクルを容易にするため、また、最終的に埋立てや焼却処分されるときに、人や環境に影響を与えないように、EUで販売する電気・電子機器の有害物質を非含有とさせることを目的として制定されています。

RoSH2指令では電気・電子機器において具体的に、カドミウム、鉛、水銀、六価クロム、PBB(ポリ臭化ビフェニル)、PBDE(ポリ臭化ジフェニルエーテル)、4物質のフタル酸エステルの使用が制限または禁止されています。(2015年6月にフタル酸エステルなど4種類の規制物質が追加され制限物質は10物質となり、「RoHS10物質」という言葉で表されることも増加しています。)この計10物質はそれぞれ最大許容濃度が定められ、最大許容濃度を超える量を含む製品はEU域内で製造・販売できません。

また、RoHS2の最大許容濃度以下であることが明確化された指定の販売製品には、CEマーキングという安全マークの貼付が義務づけられました。

CEマーキング

このRoHS対象となる電気、電子製品はAC1000V、DC1500V以下の定格電圧を持つすべての電気・電子機器となっています。簡単にいうと、ほとんどすべての電気、電子製品が対象となっています。

4.RoHS使用制限される有害物質

「RoHS」により使用制限される、有害物質について見てみましょう。

表1 RoHS2指令の対象物質の最大許容濃度

RoHS2指令の対象物質 略号 最大許容濃度 主な用途・備考
カドミウム Cd 0.01wt% 顔料、ニカド電池、メッキ材料
Pb 0.1wt% 蓄電池、金属の快削性向上のための合金成分
水銀 Hg 0.1wt% 歯の治療、農薬、体温計
※毒性が強く、現在は使用が控えられている
六価クロム Cr+6 0.1wt% メッキ材料
※クロム、三価クロムは無害で人体を構成する必須元素
ポリ臭化ビフェニル PBB 0.1wt% 自動車用塗料、難燃剤としての添加物
ポリ臭化ジフェニルエーテル PBDE 0.1wt% 難燃剤として、電気製品、繊維に添加
フタル酸ジエチルへキシル DEHP 0.1wt% 可塑剤として塩化ビニル樹脂等を
柔らかくするのに用いられる

新規追加物質

フタル酸ジプチル DBP 0.1wt%
フタル酸プチルベンジル BBP 0.1wt%
フタル酸ジイソプチル DIBP 0.1wt%

最大許容濃度について

wt%と書いていますが、まず見ることの無い単位ですので補足します。
「wt%」は重量パーセントのことで、「対象となる規制物質の重量/機械的に分離できる部品の最小単位」で割ったときの数値(均質材料当たりの濃度)になります。金属業界ではppm(パーツ・パー・ミリオン)=100万分率が使用され、カドミウム100ppm材=「カドミウム/素材重量=0.01wt%以下」のように表示されています。

5.RoHS適用除外される有害物質

「RoHS指令」について仕事と直接関わる方は、知っている人も多いかもしれませんが、RoHS規制には規制が除外となる「裏メニュー」的なものがあります。これはRoHS2指令の附属書ⅢおよびⅣで技術的、科学的に代替が不可な用途に期限付きで認められるものであり、真鍮の中の4wt%までの鉛や、スズ鉛はんだに含まれる鉛、蛍光灯内の水銀が、RoHS指令の適用除外として販売を認められています。

ただし、先に記載のあるように「技術、科学的に代替が不可能な用途」、「期限付き」なため、代替が可能になった場合は、適用除外見直しが行われ、いつかはこの適用除外もなくなると言われています。
実際に、無塗装金属板およびファスナーの腐食防止用途の六価クロム防食材は、2007年7月1日で適用除外期限が終了しています。

6.RoHS適用除外される金属材料

様々な電子・電気製品に組み込まれる金属部品。金属部品の快削性を向上させるために含有される鉛は、技術的に代替が不可ということで、下記の適用除外を受けています。

・鋼材(鋼鉄)に含まれる0.35wt%までの鉛
・アルミに含まれる0.4wt%までの鉛
・銅合金(真鍮)に含まれる4wt%(40,000ppm)までの鉛

この中でも特筆すべきは、他の材質にくらべとても緩い銅合金=真鍮があげられます。真鍮は銅と亜鉛の合金でありながら、微量の鉛によりその切削性が高められ、複雑な形状の部品に加工されています。

RoHS2適用除外が見直される真鍮材料

RoHS2指令の適用除外品目のため、4%未満の鉛が含有されて問題の無い真鍮。この適用除外が、早ければ2021年7月21日にも終了し、真鍮に含まれる鉛の最大許容量が0.1wt%(10PPM)になると言われています。鉛の代替技術として、元素のシリコン(ケイ素/Si)やビスマス(Bi)が含有された材料を材料メーカー各社が開発、販売し、技術的に鉛の代替ができるようになったということが、この適用除外見直しの大きな一因として考えられています。下記は、2019年9月現在、日本の主要真鍮棒メーカーが販売している鉛を含まない真鍮材料です。

表2 鉛非含有真鍮材料(日本の主要真鍮棒メーカー販売品)

JIS 対応メーカー 特徴
C6801 サンエツ金属 ビスマス系素材。
比較的良好な切削性と今までの真鍮に近い性質
C6802 サンエツ金属・大木伸銅
C6803 サンエツ金属・日本伸銅・キッツメタルワークス
C6804 大木伸銅
C6931 三菱伸銅 シリコン系素材。高耐食と高強度が特徴。

表3 鉛非含有真鍮材料成分詳細

JIS
合金番号
Cu Bi Si Sn P Pb Zu Fe Cd その他
C6801 57.0~64.0 0.5~4.0 0.1~2.5 0.2以下 0.01以下 残部 0.50以下 0.0075以下
C6802 57.0~64.0 0.5~4.0 0.1~3.0 0.2以下 0.01~0.10 残部 0.7以下 0.0075 以下
C6803 57.0~64.0 0.5~4.0 0.1~2.5 0.2以下 0.01以下 残部 0.50以下 0.0075以下
C6804 57.0~64.0 0.5~4.0 0.1~3.0 0.2以下 0.01~0.10 残部 0.7以下 0.0075以下
C6931 74.0~79.0 0.05以下 2.6~3.4 0.3~0.7 0.04~0.15 0.09以下 残部 0.10以下 0.0075以下 Mn:0.1以下
Ni:0.2以下

7.私達の生活にRoHSって影響はあるの?

電気または電子機器、電子部品の販売、製造、輸出入に関与したビジネスをしている場合は、RoHS2規制の影響を受ける可能性があります。ただし、日本では、これが電気製品?と感じるような、トイレ(温水洗浄便座付き)、ゲーム機器、医療機器なども含まれるためRoHS指令の対象製品について確認しておく必要があります。

RoHS2指令の対象11カテゴリー

表4 RoHS2指令の対象製品

RoHS2対象製品カテゴリー 適用開始日
1 大型家庭用電気製品(冷蔵庫、洗濯機、電子レンジなど)
2 小型家庭用電気製品(電気掃除機、アイロン、トースターなど)
3 情報および通信装置(パソコン、プリンター、複写機など) 2006年7月1日
4 消費者用装置(ラジオ、テレビ、楽器など)
5 照明装置(家庭用以外の蛍光灯など)
6 電動電気工具(旋盤、フライス盤、ボール盤など)
7 玩具、レジャーおよびスポーツ機器(ビデオゲーム機、カーレーシングセットなど)
8 医療用機器(放射線療法機器、心電図測定機、透析機器など) 2014年7月22日
9 監視および制御機器(煙感知器、測定機器、サーモスタットなど) 2014年7月22日
10 自動販売機(飲用缶販売機、貨幣用自動ディスペンサーなど) 2006年7月1日
11 上記に含まれない電気電子機器 2019年7月22日

RoHS規制が作られた理由は、環境を守ること、また私たち人間が危険な化学物質を間接的に取得することを防ぐためです。水銀、六価クロム、鉛、カドミウム、ポリ臭素化ビフェニル(PBB)、およびポリ臭素化ジフェニルエーテル(PBDE)の難燃材が入っていることを知らずに製造したり、またゴミとして出すと、結果として私たちの健康を危険にさらす可能性があります。

8.RoHSを守らなかったらどうなるの?

RoHSは、あくまでEUでの基準であり、例えば日本で使用される真鍮部品には今後も4%以下の鉛の添加は認められると考えられています。そのため、RoHS指令を守らずに、日本国内で商品を製造し販売する場合、日本の各法令、指令の基準を満たしていれば、罰則はありません。

一方で、近年のグローバルな市場では、製品が輸出されたり、またRoHS指令を受けた製品が輸入されることもあります。輸出された製品が、RoHS指令を守らず、またEU諸国内で販売され、RAPEX(EU緊急警告システム)で通知されると製品回収をしなければなりません。また同時に5000ポンド以上の罰金が科せられることとなります。(日本円で、63万5486円 ※2019年9月現在)場合によっては、製品の輸出が以降拒否をされるなど、RoHSを守らないと国際的な市場でビジネスを続けて行くことが困難になりかねません。実際に、2015年スロベニアからの報告により、中国で製造されたプリント基板やモーター上のはんだに鉛が測定値で80%まで含有されていることがわかり製品の回収、またこの企業がEUの市場から追い出されたという事例もあります。

9.あわせて覚えておこう!WEEEとは?

RoHS(ローズ)にWEEE(ウィー)、同時に2つも英語が出てくると、余計分かりにくくなるので、あえてここまで出さなかったWEEE指令。このサイト以外ではRoHS指令と併記するように必ずWEEE指令の話がでてきます。WEEEとは「電気・電子機器からの廃棄物」を表す指令で、正式名称はWaste from Electrical and Electronic Equipmentです。「Waste from」という部分を直訳すると「〇〇からのゴミ」という意味になるので廃棄物の指令というのも納得です。WEEE指令は「電気電子機器の取り扱いとリサイクル方法を管理する指令」とになります。RoHS指令が「電気・電子機器における特定有害物質の使用制限の指令」だったので、この2つの指令を守ることで、本当に環境と健康のための指令になります。

10.まとめ:今後のRoHS指令について

RoHS指令はEUでの規制であり、日本やアメリカなどの諸外国には適用されていません。しかし、人体や環境に有害な物質の使用を規制して、リサイクルを推奨する動きは世界的な流れになっています。そのため日本でも、いつ同様の規制や指令が発令されても不思議ではありません。また、今後ますますグローバルな市場に出ていく必要のある日本企業にとっては、遅かれ早かれ対応していく必要がありそうです。

11.当社オーミヤについて

RoHS指令に対応した鉛レス真鍮部品の切削をしています

「水回りを快適にもっと、便利に」を企業理念に、青銅、黄銅の切削加工から、ミストシャワーなどの完成品を製造販売する東大阪のメーカーです。グループ企業に真鍮(黄銅)・砲金(青銅)の材料専門問屋を持つ強みから、鉛レスの真鍮・砲金部品の切削加工をおこなっています。「RoHS対応したいけど、どうしたらいいのか」とお困りの際は、まずは下記にお問い合わせください。

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